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「W@F(福岡型ワーケーション)パートナー交流会」参加レポート

2023年3月2日(木)、W@F(福岡型ワーケーション)のパートナー交流会が開催されました。主催は福岡型ワーケーション推進事務局(公益財団法人福岡観光コンベンションビューロー)。山梨大学田中教授による基調講演、福岡市のワーケーション施策についての発表、そして懇親会というプログラムの中から、内容を一部抜粋してご紹介します。

「W@F(福岡型ワーケーション)パートナー交流会」参加レポート

ボートレース場で交流会スタート

今回のパートナー交流会の会場は、ボートレース福岡場内の特別観覧施設「ROKU福岡」

福岡市では市内のワーケーションの受け入れ協力企業をパートナー企業と呼び、企業同士の出会いを創出するべく、年に数回交流の場を設けています。今回は、福岡ボートレース場内の特別観覧施設が会場です。開放感あるガラス張りの建物から外に目を向けると、青空の下、今まさにレースが進行中。普段なかなか味わえない非日常空間の中で、今年度第2回目となるパートナー交流会がスタートしました。

まずはじめに、主催者である福岡型ワーケーション推進事務局の森さんより挨拶がありました。
「福岡ボートレース場は実は福岡市の施設。この特別観覧施設も2020年にオープンしたものの、コロナの最中だったこともありお披露目ができておらず、この機会に雰囲気を感じていただきたいと思った」と会場選定の理由を説明。

福岡型ワーケーション推進事務局の森さんによる開催挨拶の様子

福岡市については、「アクセスがいいのは強みだが、それゆえに帰りやすく滞在が短いという課題がある。国の統計によると平均滞在日数は1.3日で、政令指定都市の中でも非常に低い水準。その点、ワーケーションは複数日程で実施するものなので可能性がある」として、ワーケーションを受け入れるパートナー企業同士でも意見交換しながら新しい事業創出に取り組んでもらい、それを行政として支援していきたいとの姿勢を伝えました。

インバウンドも含めたワーケーションの在り方

山梨大学 生命環境学部 田中敦教授による基調講演。当日は台湾からオンラインにてご登壇いただきました。

プログラム1つ目は、山梨大学 生命環境学部 田中敦教授による基調講演です。田中教授はワーケーションや観光産業における経営戦略を主な研究テーマとし、観光庁のワーケーションアドバイザーとして来訪企業と受け入れ地域間のコンサルティング業務も務めていらっしゃいます。当日は台湾からのオンライン参加で、「ワーケーションの現状と受け入れ側に求められるものとは」というテーマで講演されました。

「各所さまざまな解釈でワーケーションが語られていて、結局のところよく分からないという状態に陥っている。私はこれからワーケーションに取り組もうとする企業によく、“やりたいことをワーケーションという言葉を使わずに説明してみてください”と問いかける。すると具体的な希望が出てくるし、それは会社によって大きく異なる。ワーケーションは様々な活動の包み紙くらいに考えて、実際にやりたいことで考えることが大事なフェーズに入ってるんじゃないか」

「これまでのワーケーションはどちらかというとコロナ禍で落ち込んだ訪日観光需要の穴埋めという面もあったと思うが、これからは停滞していたインバウンドが大きく動き出すだろう。そこも含めてワーケーションの在り方を考えていかなければいけない」

「今は宿泊施設で一人仕事するというより、コワーキングスペースなどで関係を作り、コラボレーションするような形を求めるワーケターが多い。そうしたコミュニティをいかに継続させていくかが大事。宿泊形態も一つの宿ではなく、“アルベルゴ・ディフーゾ”のように、周辺施設と繋がりあって機能分担するとか。新しい価値作りの場としてどう運営していくのかチャレンジすることには意義がある」と様々な方向から言及しました。

福岡は、世界のデジタルノマドにも選ばれる?

コロナ禍が世界に与えた影響として、「フリーランスに限らず、雇用されていても自由に場所を選んで働くデジタルノマドが増え、様々な地域を渡り歩いている」と田中教授。デジタルノマドは2035年に10億人に上ると予測するデータもあります。こうした人たちが長く滞在すれば観光消費だけでなくビジネスも促進するため、「デジタルノマドビザ」を発給し、サポートを充実させる国が増えているのだそうです。

さらに世界中のデジタルノマドが集う3万人規模のオンラインコミュニティでは、日本は「絶対に行きたい国」として注目されているとのこと。
「グローバルワーケターと、各地で進むワーケーション施策がうまくマッチングすれば新たな展開が考えられる。コンパクトな中にビジネス支援が充実している福岡には、大きな可能性を感じる」

「例えばヨーロッパから見れば台湾と韓国と日本なんて近所みたいなもの。福岡をハブとした九州全体と近隣諸国を合わせたプロモーションを、バリやタイに来ているノマドワーカーたちに向けて行うとか。新しい発想が、観光産業はもちろん様々なビジネスシーンを拡張していくのではないか」

田中敦教授による基調講演を視聴する会場参加者の様子

「ミニMICE +ブレジャーのような新しいスタイルが日本にはあまり例がないので、福岡発で進めていただければ。世界的なワーケーションの日本を代表する聖地に福岡にはなってほしいし、そのポテンシャルがあると思う。ぜひ上手な組み合わせや新しい事業形態を考えてみてほしい」と、様々に提案しながら、福岡の今後に期待を込めました。

ビジネス環境とコンパクトさを生かしたワーケーション推進を

プログラム2つ目は、福岡市経済観光文化局 観光コンベンション部 観光産業課の横山さんから、活動報告と次年度(令和5年度)の計画についての報告が行われました。

福岡市経済観光文化局 観光コンベンション部 観光産業課の横山さんによる活動報告と次年度(令和5年度)の計画についてお話いただきました。

ワーケーションポータルサイト「W@F(ワフ)」や、ワーケターが滞在中使える特典を掲載している「ワフパス」の利用状況、昨年10月に行った福岡ワーケーションフェスの取り組み、企業・団体の福岡でのワーケーション実施の動きについて紹介。

「九州経済の中心として成長を続ける福岡だからこそ、新しいビジネスを生む“人”や“環境”が提供できる。またコンパクトな街なので、街全体をフィールドにして都市と自然という幅の広い観光ができる。こうした魅力を生かした都市型のワーケーションを推進していきたい」

「企業ならチームビルディングやビジネスの種の発見、個人では事業者間のコミュニティ作りなど。単なるリモートワーク先ではなくビジネスを絡めるところに、スタートアップやクリエイティブ人材の輩出にも力を入れている福岡の強みを生かしていければ」と、ワーケーション推進への決意を話しました。

交流会の途中、福岡型ワーケーション推進事務局からボートレースの仕組みや楽しみ方、競艇場内で配られている出廷表の見方等を解説いただきました。

2023年度の計画としては、
ワフパスのエリア拡大やコンテンツの充実、首都圏等を対象とした長期滞在を促進するキャンペーンの実施、ワーケーションイベントの開催、海外リモートワーカーの誘致に向けたプロモーション
等を企画中とのこと。田中教授からも話があったように、海外のデジタルノマドが非常に増えていることから、個人の滞在を延ばす取り組みや企業向けのプログラムの提供など、誘客につながるプロモーションを実施していきたいと展望を語りました。

交流会場の特別観覧施設「ROKU福岡」のモニターでは、現在進行形で行われているレースをモニター越しに視聴することもできました。

最後に

国内外問わずワーケターが増え、各自治体も施策に本腰を入れ始めている現状。ワーケターの獲得に向け、福岡のポテンシャルをいかに生かしていくか。パートナー企業の協力を支えに、「ワーケーションに行くなら福岡」と選んでもらえるような動きが、今後より高まっていくことを期待しています。

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