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【イベントレポート】福岡市実施「学生と共創するSDGsワーケーション」

2023年3月8日(水)〜12日(日)、福岡市が九州大学の学生と企画した「学生と共創するSDGsワーケーション」に、東京から株式会社CureApp様が参加されました。福岡市内でワーケーションを行いながら、学生とともに同社の課題解決に向けたワークショップ等を実施。そのプログラムの一部をご紹介します。

【イベントレポート】福岡市実施「学生と共創するSDGsワーケーション」

プログラムの流れ

5日間のスケジュールは以下の通りです。

1日目 午前:移動 / 午後:オリエンテーション,執務
2日目 終日:自由行動, 九大生や地元企業との交流
3日目 午前:執務 / 午後:SDGsプログラム(農業体験,ビーチクリーン体験,SDGs講義&ワークショップ), 懇親会
4日目 午前:執務 / 午後:企業の課題解決に向けた学生とのワークショップ,解散式
5日目 終日:自由行動

本記事では、3日目の「SDGsプログラムのうちビーチクリーン体験」と「SDGs講義&ワークショップ」、そして4日目の「企業の課題解決に向けた学生とのワークショップ」を取り上げます。

ビーチクリーン体験

学生と社員が清野先生のレクチャーのもとで海ゴミを取った後に撮影

浜を離れて、実際にどんな海ゴミが流れ着いたのか様子を確認

SDGsプログラムの一つであるビーチクリーン体験は、九州大学准教授の清野先生のアテンドで、同大伊都キャンパスより車で15分ほどの海岸で行われました。
生態工学、海岸・河川の環境保全学、水生生物学がご専門の清野先生。同大環境工学研究教育センターが中心となる団体「うみつなぎ」の統括プロデューサーでもあり、福岡の海や自然をフィールドに持続可能な循環型社会と海ゴミ問題をテーマに活動されています。

「海のゴミを見ることで、私たちの身の回りにあるものが最後はこんな形になるんだ、こんな風に拡散するのかと知ることができます。ここ唐泊には地名が表すように、大陸(唐)から海流と風という自然エネルギーを使って人が渡って来ていましたが、ゴミも同じように辿り着いています。このようにゴミを通して、大陸を行き来した人々の姿が見えてくる点も面白いと思います」

「もともと日本人の暮らしの原型は、小さな空間の中に全てがありました。唐泊にも山、田畑、小川、海…全てが揃い、人々は自生する竹や草を材料に様々な道具を作って暮らしてきたのです。こうした視点で、このエリアの中に今も残るサステナブルな生活の在り方にも注目してみてください」

こうした説明を受けた後、一同は海岸に落ちているゴミを袋いっぱいに拾い集め、そこから見えてくることについて様々に意見を交わしました。

SDGs講義&ワークショップ

株式会社YOUI 原口様によるSDGsの講義

ビーチクリーン体験に続いて行われたのが、株式会社YOUIの原口さんファシリテーションによるSDGs講義&ワークショップ。SDGsの基本的な考え方を学ぶとともに、ワークショップを通して参加者自身がSDGsについて思考を深める場となりました。

「SDGsには17の目標がありますが、教育だけ、環境だけではなく、全てを一緒に解決していきましょうというメッセージを世界に発信しています。例えば“海ゴミをなくす”を目標にしたならば、経済や文化、社会、教育などあらゆることが影響していると想像できますね。個人の行動変容だけでなく企業、行政、他国など様々な人たちがともに行動をしていかなければ問題は解決できません」
「環境、経済、社会に一石三鳥で取り組むことが、SDGsの中で最も重要とされていることなのです」と原口さん。

ワークショップでは、1つのテーマ解決が連鎖して他のテーマの解決に繋がることを疑似体験できる、「SDGs2030」というカードゲームを行いました。
参加者には5パターンの価値観と人生のゴールが割り振られ、各自必要なプロジェクトを探しながら時間とお金を集め、人生のゴール達成を目指します。それぞれの行動が他者、そして世界に影響を及ぼします。

SODs2030ゲームの様子ゲーム終了後は、参加者全員でゲーム開始直後と後半の気持ちの変化を共有しました。
「始めは自分のゴールを達成することに注力していた。けれど後半では自分の目標を達成したことで余裕ができ、他者を助けたいと考えるようになった」「自分が持っていても使えないリソースは、他の人に有効活用してもらおうと思った」「他者に協力したら自分だけでなく世界の状況も良くなると気付いた」「世界の状況を見ながら行動するようになった」。
また全体を通しては、「経済活動に力を入れるほど時間のカードが足りなくなった。現実に照らして考えた時、だからこそ業務フローの改善や生産性向上が重要なのだと実感した」「何かを達成するためには全体を俯瞰して物事を考える必要がある」といった気付きがシェアされました。

ワークショップでは他にも「SDGsイシューマップ」を用いて、自分の関心がある社会課題から他分野の課題も連鎖して解決できるようなプロジェクトを考えるワークも行いました。

企業の課題解決に向けた学生とのワークショップ

実際にCureAppのプロダクトを見せてもらっている学生

学生によるプレゼンテーションの様子

4日目のメインプログラムは、企業×九大学生によるワークショップです。今回参加企業として手を挙げた株式会社CureAppは、東京に本社を置く、医師が処方する治療アプリ®︎を研究開発・製造販売する医療機器メーカーです。スマートフォンで動作する疾患治療用のソフトウェア医療機器として、2023年3月現在、国内で唯一薬事承認と保険適用を受けています。ワークショップでは、この治療アプリ®︎をどうやって世の中に普及させていくか、学生とともに考えました。

学生メンバーは事前に提案内容を準備。ワークショップ冒頭の初期プレゼンに対するフィードバックを踏まえ、社員の方とペアになって提案をブラッシュアップ、最終プレゼンが行われました。以下簡単に内容をご紹介します。

【学生の提案⇒企業のコメント】
1.ユーザーにアプリの存在を知ってもらうため、公式サイトを一般人でも見やすく理解しやすいものにする
⇒社内チェックでは広告規制に気を取られ、「何を伝えるべきか」の視点が不足していたと反省した。すぐにでもできる改善なので、必ず社に持ち帰り反映したい。

2.美容意識の高い福岡在住の40〜50代女性をターゲットに、美容をフックにしてアプリを売り出す
⇒実際臨床現場でも、アプリを使ったことで痩せたと喜ばれ嬉しかった。広告規制に配慮しながらも、アプリを使うことによる美容的メリットを訴求していけるといい。

3.距離的、人員的に適切な医療にアクセスしづらい離島でアプリの実証実験を行い、症状改善のモデル地区を創出する
⇒財源(補助金)と実施内容など実現性が高い。他地方の取り組みと対比しながら福岡市の離島でアプリの実証実験を盛り上げるアイデアは面白そう。

4.九州大学×福岡市の密な連携をベースとした産学官連携の推進
⇒この枠組みでやる意義について丁寧に話してくれた。これをベースに他メンバーの提案をやっていけたら面白い。

 

「ワーケーションという枠組みを通して、職場では得られない学びや新たな思考をする機会を提供できるようになりました。こうした取り組みが企業にとってもメリットがあるということであれば、事業として大きな意義があります」と主催者である福岡市の横山さん。
SDGsの学びを深めながらZ世代の視点をビジネスに取り込むという本プログラムを通し、また一つワーケーションの持つポテンシャルの大きさを感じた5日間となりました。

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